2011.04.13
また正議論。。
自由市場は地球の未来にとって、最も望ましい経済システムだと考えるアメリカ人は、59%だったそうで、どんどん下回ってきていてこれは新興国を下回る数字。
岩永です。
愛知の人材派遣会社が時給一万円で募集したという、
勤務地 ー 福島県
仕事内容 ー 原子力発電所の清掃、修復工事の補助
という求人内容に、締め切りを待たずして早々に定員(10人)に達した。とのニュース記事。
そこでマイケル サンデル氏の著書「これからの正義の話をしよう」を思い出した。
著者のなかでの、
徴兵制と、徴兵制に身代わりを雇ってもいいという条件付きの徴兵制(南北戦争時の制度)、
市場方式(志願兵制)はどれが正しいのか。という内容。
自由至上主義者であれば、徴兵制は不公平ということにる。強制であり、一種の奴隷制だからだ。
功利主義の立場を取るものは、徴兵制は選択肢を制限し、ひいては全体の幸福を損なうという理由から反対し、条件付きの徴兵制は一つ目ののモノより選択肢がある分優れていると判断する。
したがって、自由至上主義者と功利主義者の観点からすると、志願兵制が最善ということになる。
そこでサンデル氏は、この論法には少なくとも二つの反論が考えられるとする。(ちなみにこの反論は
サンデル氏の個人的な意見ではない)
最初の反論は限られた選択肢しかない人間にとって、自由市場はそれほど自由ではないという言い分だ。
社会のなかで他にましな選択肢がない場合、兵役に就くのを選ぶ者は、実質的には経済的必要性に迫られて徴兵されるようなものであり、完全な自分の意思ではなく、強制という側面もある。という反論。
もう一つの反論は、市民道徳と公益という名目での反論だ。陪審義務と同様に、兵役は市民の責任であるというものだ。
兵役は民主主義における市民権を表現し、深めるのである。
この見方からすれば、兵役を商品化するのは、それを支えている市民の理念を腐敗させることに他ならない。
この反論によれば、兵士を雇うのが間違っているのは、貧しい者に不公平だからではなく、市民としての義務の放棄を認めることになるからだ。という反論。
全然関係ないように思えるこの話だが、兵役と今回の記事は、どこか重なる部分もあるように思える。