2009.11.11
B.G.M part 2
part 1 でも書きましたが、僕は音楽が好きです。
アンセムのBGMの中で最も多く登場するのが写真にものっているRadiohead (レディオヘッド) です。
レディオヘッドは素晴らしい。
全てを書くと、とんでもなく長くなってしまうので写真のアルバムについて少し書きます。
3rdアルバムにあたる本作は2rdまでにあったメロディアスでエモーショナルなレディオヘッドが急速に影を潜め。
平熱のままのメロディ、他人事のように冷静なボーカル、不安を掻き立てるようなリズムを主体としたアルバムへと変化を遂げる。
この変化は一体どういうことなのか。
2ndアルバムでシーンのトップに登りつめ正真正銘のポップスターとなったバンドのボーカリスト、トム・ヨークは、全ての感情、世界観を写し出してしまう世界一美しい自分の声に嫌気がさしていた。
自分の感情を商品化してしまう事に恐怖を感じていた。
そしてその音楽を聴く人間に感動を与えてしまうことに疑問を感じていた。聴き手と自らとの間のギャップに苦しんでいた。
そしてその世界一美しいボーカルとメロディを封印した。
つまり、ビジネス思考の音楽シーンに力強いNOを突きつけた。
当初、音楽業界もファンも、最初は困惑し。そしてその美しさを理解し、世紀の傑作として今も君臨する。
このアルバムに 「ノーサプライセス」 という曲がある。
クリスマスソングのような暖かいメロディにのせ
「何の驚きもいらない。平凡で静かな毎日が欲しい」と歌う。
何の驚きもない、平凡で静かな毎日など存在しなく、そこに安住できる人などいない。
と、だれよりも解っている人間から発信されたこの平凡な言葉は、だからこそ美しい。
人間は大人になり、年を重ねるにつれ鈍感になっていく。
いつまでもティーンの時にもっていた心を汚したくないものである。