2011.04.21

「直ちに影響はない」について

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江戸時代の街道と宿場町は、浸水域を避けて整備されていた、と。せっかくの教訓も、いつか忘れ去られる。岩永です。

「直ちに影響はない」について、徹底的に解説している記事。

かなり長く、難しいのでより簡潔にまとめました。(大部分を切り捨てているので、かえって伝わりにくくなっている感は否めませんけど、、)

なるほど。真実を知ろうとする努力はとても重要だと。

不安があるなら知ることだと。

(万が一、政府が真実を発表していないとするならば、それはまた違った話になりますが。)

『「直ちに影響はない」について』

たった「9文字」の「直ちに影響はない」が、日本中どころか世界中を不安にしています。

「影響はない」とポジティブなことを言っているのに、言えば言うほど、不安を煽り、パロディーのネタにすらされている。

「直ちに影響はない」は科学的根拠に基づいた表現ですが、日本語の曖昧さを回避することを「怠った」表現です。

「正しく表現する」だけではだめで、「正しく伝わる」ことに心血を注がなくてはいけないと
思います。コミュニケーションとはそういうものです。

「直ちに影響はない」ってことは「いつか影響がある」ということだよね、というのが典型的リアクションですね。

「直ちに影響はない」という表現は「時間経過による影響」と、「確定的影響」、「確率的影響」の3つの「影響」を、ひとつの言葉に無理矢理しているので、本当の意味が伝わらないのだと思います。

「直ちに」には「極めて短い時間経過」でという意味があります。これはすぐに理解できる。

しかし、「直ちに」には、もう一つの意味があります。

「Aをしたら『必ず』Bが起きる」という「確定的」因果関係にあるという意味です。

「すぐ」「必ず」「確率的に」の3つの意味を「直ちに」から汲み取らなくてはいけないのです。

「確定的影響」とは「必ず」おきる「影響」です。

では「確率的影響」はどうでしょうか。

「確率的影響」とは、「一定の条件を与えた場合」に「将来に渡ってのいつか」「健康に被害がでる(癌になる等)」「確率」が「測定できるほど」「上がる」ということです。

まとめると、

食べても、飲んでも、吸っても「直ちに影響がない」と発表されたときは、こう理解しましょう。

1、「すぐに」健康被害はない。

2、 未来を含めても「必ず」起きる健康被害はない。(確定的影響はない)

3、 未来に健康被害が起きる「確率」は測定できないほど低い。(確率的影響はない)

4、 測定できないほど低い確率の健康被害を、気にするならば、あらゆる健康に害のある生活習慣を変える方が効果的である。

情報を正しく理解すれば、「私たち」は「報道」よりも真実に近づける。

それを怠れば、「報道」に翻弄される。

平時ではない、有事である社会にとって、「真実」を知ろうとする努力は何にもまして重要なのではないかと思います。