2011.05.11
おばあちゃんの希望の言葉
4号機の爆発は水素が原因では無く、原因は謎のままで、いつ壊れたのかさえ解っていないらしい。岩永です。
昨日の日経ビジネスの記事。
日本には日本の道があり、他国と比べる必要など無いんだと。
日本特有の「優しさ」に誇りを持ち、堂々と胸を張ろうぞ。
「優しさ」とは本当の強さであり、希望なんだと。
『優しいニッポン明日につながるおばあちゃんの言葉』
「原発、東京に持って返ってくれよ」
「どうしてくれるんだよ」
「子供の人生を返してくれ」
ある日のニュースでした。
福島の避難所を訪れ、謝罪する東京電力社長に怒声が飛び交う中、1人のおばあちゃんが社長にかけた優しさに満ちあふれる言葉が頭から離れません。
「からだに気をつけて。お互い様だから」
私はこの言葉の中に日本の将来を見た気がしました。
最も「核」に敏感でなければいけなかったこの国が、そして我々一人ひとりが、なぜこれまで原子力発電所に対してもっと真剣に考えることができなったのでしょうか。
責任はどこにあるのか。
一般に、海外から見た日本人のこれまでのイメージといえば、発言・挙動は極めて曖昧であり、YesなのかNoなのかもハッキリ言わない、どういう人間なのかがよくわからない、といったものでした。
今回の震災報道は日本人のイメージを少なからず変えることになったのではないかと思われるのです。
「日本は優しい」
決して見た目に強く、たくましいわけでもなく、むしろ弱々しい印象を与える日本人の中に見えた冷静さ、芯の強さ。
自分のこと以上に相手のことを考え、優しく接しようとする姿勢。
とりわけ個人主義の強い欧米諸国の人々にとっては、自分よりも相手のことを考えることはある種タブーであり、身を削るという発想はありませんから、非常時にそれを実行したことは、彼らにとっては驚き以外のなにものでもなかったことでしょう。
日本のサービスは海外のそれとは全く質の異なるもので、それはサービスというよりも相手に対するこころ遣い、ホスピタリティなのではないかと思われます。
日本ならではの未来をつくろう。
相手を打ち負かすのではなく思いやる、この「情」や「情緒」を大切にかたち創っていくことが未来につながると思うのです。
日本に必要とされる文化の創出です。
「からだに気をつけて。お互い様だから」
おばあちゃんの言葉が、優しいニッポンの明日を示してくれたのではないかと思います。
優しさは強さになるはずです。
しなやかなものは簡単には折れない。
私たちには、「情」という世界に誇れる素晴らしいDNAが宿っているという自信をもち、未来を一つひとつ謙虚にかたちづくっていきたいと考えています。