2011.05.26

鬱病の新説

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ハートフルなネコ。岩永です。

鬱的な状態で悩む人は、全人口の役7%にものぼるそうです。

「抑うつ的反芻」は精神医学の世界では、危険な習慣とみなされるそうです。

(抑うつ的反芻 = 同じことをくよくよといつまでも考え続けること。)

この思考プロセスは、心理的に悪影響があり、より落ち込みやすくなるそうです。

このような人は、ストレスを感じると無気力になりやすいと。

しかし、「反芻」は必ずしも悪い習慣ではないのではないか?という説が注目を集めているそうです。

例えば、苦い離婚を経験したあとで、抑うつ的な反芻が起こる。

それは後悔の形をとったり、違う現実を想像したり、将来への不安の形をとったりする。

こうした考えは抑うつを強めてしまうし、だからこそ、セラピストはこうしたサイクルを止めようとするのだが、こうしたプロセスは人々が自らの過ちから学び、今後の生活を準備させることを助ける面があると考えられる。

「抑うつが数ヶ月続くとしても、そのことで、自分の持つ社会的関係をより良く理解することに役立つ可能性もある」と。

健常者と鬱病患者をランダムに選び、コンピュータを使った意思決定タスクを行わせた。

その実験結果は、鬱病の被験者の方が、高かったという。

健康な被験者は十分な数の選択肢を検討しようとしない。

これに対し、鬱病の被験者は、選択肢を検討し続けようとする傾向がはるかに強いんだとか。

憂鬱な気分に陥った被験者のほうが、噂話の正確さを判断したり、過去の出来事を思い出したりする課題の成績が良く、また、知らない人をステレオタイプ的に分類する傾向が大幅に低いそうです。

抑うつとは、自らの問題に精神を強制的に向き合わせるための手段ではないかと。

反芻するのは辛いことだが、同時にそれは、われわれが自分の問題に目を向け続けるうえで役立っているのかもしれない。

という説。