2011.06.16

幸福度世界一のブータン

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とってオシャレな卵黄分離器。岩永です。

幸福度世界一といわれるブータン。

しかし、ブータンものんびりだけしていられるワケでもない。(むしろキレやすい国民性なのだそう)

経済発展とは無縁に思えるブータンだが、やはり幸福と経済は切っても切れない関係なのだと。

そして結局のところ、価値基準の落とし所なんじゃないだろうかと。

『お金は「幸せな国」の一要素です(まとめ)』

ブータンは、GDP(国内総生産)ではなくGNH(国民総幸福度)の最大化を目指すことを国のビジョンとして掲げています。

GNHという概念は、1972年にブータンの先代国王が提唱し、以来、ブータンの国づくりの柱になっています。

今、先進国の多くの人にとって、ブータンは、まるで

「みんなが幸せな、夢の国」

のように語られることがあります。

しかし、ブータンにも、貧困、格差社会、他国への経済依存などがあり、決して「夢の国」ではないと。

そうした現実問題を抱えながらもブータン政府は

「国民の幸せを一番に考えた政治をするんだ」

というビジョンを掲げ、日々手探りで国作りをしている。

ブータンの人々も人間なので、時には嫌なこともあり、ネガティブになったりもしますが、

「まぁ細かいことを挙げたらいろいろあるけれど、結局のところ、幸せだよね」

と言えてしまう。

ただ多くの人が誤解しているのが、

「ブータンは、社会経済発展や近代化をしないで、昔ながらの生活を守ろうとしているんだよね」

といったイメージです。

確かにブータンは昔の日本のような風景が広がっているとても21世紀とは思えない国です。

しかし、経済成長を否定しているワケではないのだと。

国民の幸福度を高めるには、経済成長は必然なのだと。

例えばブータンでは、医療も教育も無償で提供されています。

ヒマラヤに位置し、山に挟まれ孤立した村も多くあるブータンにおいて、より多くの国民が医療と教育にアクセスできるよう、病院・学校の数を増やし、また、道路も整備しようとしています。

また、国民の23%が「貧困線」以下の生活をしていましたが、コレを15%まで引き下げることを目標にしています。

 
国民の幸せを目指した国づくりにも、やはり、お金はかかると。

しかし、ブータンの財源の3割は他国からの援助に頼っているのが現状だそうです。

そこで政府が「産業育成」「経済自立」と言っても、

「そんなに毎日遅くまで働けないよー」

「家族との時間がしっかり持てないと、幸せじゃなくなっちゃう」

「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?」

と、のんびりした空気が漂います。

だから政府の計画は全然進まない。。

そんなジレンマを抱えている産業育成を担当する長官に、

「いっそのこと、経済的に自立しない、寄付に頼って生きる国になる。というのはどうか?」

と質問したところ、ふだん物腰の柔らかい長官は、このときばかりは強い口調でキッパリと言いました。

「それはあり得ない。

ブータンは、自分の足で立てるようにならなければいけないんだ。

自分の子どもを育てることを想像してみるといい。

本当に、その子に幸せな人生を送ってもらいたいと思ったら、将来自分で仕事をして生活していけるように育てようと思うだろう。

国だって、同じなんだ。

ブータンの国民の幸せのことを考えたら、ブータンが国として、自分の足で立てるようにすることを、僕たちは考えなくちゃいけないんだ」