2011.07.27
日本人は自分勝手?
本田久しぶりのフリーキックでのゴール、キーパー一歩も動けず。やたらと絶好調なんで、この調子でマジでそろそろビッグクラブへ移籍してほしい。岩永です。
コレこそ「ホンマでっか!」という話である。
世界中から規律正しいと評価される日本人は、実はアメリカ人よりも自分勝手だという研究結果。
日本人の「集団主義」は、仲間の中での相互の監視、規制の中でこそ発揮される。
一旦それが無くなってしまえば、超自分勝手へと豹変する。
対してアメリカ人は、仲間であるかどうかとは無関係に、人間関係をとりあえずは信頼(協力)からスタートさせる。
つまるところ日本人のモラルとは、
『周りからどう思われるか』
という「体裁」に大きく依存しているということか。。
それもなんだか寂しい話だな。。
『自分勝手な日本人と協調的なアメリカ人』 (一部省略)
[橘玲 公式サイト(http://www.tachibana-akira.com/2011/07/2896)]
社会心理学者の山岸俊男は、『信頼の構造』など一連の著作で、「安心社会」と「信頼社会」という興味深い議論を展開している。
ほとんどのひとが、日本人は集団主義でアメリカ人は個人主義だと考えている。
だが山岸は、さまざまな実証研究によってこの常識に異を唱える。
広く流布した「常識」を確かめるために、山岸は日本とアメリカの大学生に囚人のジレンマを試した。
山岸の行なった社会的ジレンマの実験は、日本人はアメリカ人よりもずっと個人主義的で一匹狼的だ、という驚くべき結論を導いた(他の研究者による実験でもこの結果は支持されている)。
日本人が「集団主義」だという、あの誰もが知っている常識はどうなってしまったのだろう。
これについて山岸は、
「集団主義は文化の問題ではなく、日本とアメリカの社会の仕組みが違うからだ」
とこたえる。
日本の社会は(というか、世界のほとんどの社会がそうだが)、お互いがお互いを監視し、規制する濃密な人間関係が基本だ。
こうしたムラ社会では、集団の意思に反する行動には厳しい制裁が待っているから、集団主義的な態度をとらざるを得なくなる。
ところが山岸の実験では、集団の利益に反して裏切りを選択しても、なんの不利益もないように仕組まれている。
こうした条件の下では、日本人は集団に協力しようとは思わない(「旅の恥はかきすて」の状況だ)。
これを山岸は「安心社会」と呼ぶ。
それに対してアメリカ社会では、異なる人種的・文化的背景を持つひとたちが共生している。
こちらの社会ではムラ社会的な集団主義は機能せず、つきあい方の別の戦略が必要になる。
山岸はこれを「信頼社会」と名づけたが、そこで効果を発揮するのはしっぺ返し戦略だ。
(*「しっぺ返し戦略」では、最初に相手を信頼し、裏切られたら裏切り返し、相手が約束を守ればすぐに許す。)
安心社会で暮らす日本人は、仲間内では集団の規律に従うが、相互監視・相互規制のくびきから離れれば個人主義的(というか自分勝手)に行動する。
それに対してしっぺ返し戦略を基本とする社会で育ったアメリカ人は、仲間であるかどうかとは無関係に、人間関係をとりあえずは信頼(協力)からスタートさせる。
この違いが、社会的ジレンマに直面したときに、協力か裏切りかの選択の差となって現われるのだ。