2010.07.16
カンブリア宮殿
村上 龍が有能な経済人を迎え繰り広げられるトークライブ番組の本です。
毎回有名企業の経営者が出演するのですが、ある意味一番印象的だったのが、ヤマダ電気会長、山田 昇 氏です。
全国で五百店舗超、最強の家電量販店となったヤマダ電気の創業者の本音とは…。
僕が一番印象的だったのは、サラッと言ってのけたこの言葉。
「昔の創業時の頃の方が幸せだった。今が良くないとうことではないけれども、近所の方がとれた野菜を持ってきてくれた時代は幸せだった。
今の事業規模は責任が大きくて・・・。私は昔の方が気楽でいい。
懐かしさだけで言ってるんじゃなく、本当の豊かさとは何かというと、物理的に豊かになることなのかというと、そうでもないと思います。」
この言葉には相当に重い意味があるのだろなということは容易に推測出来ますよね。
こういう感性があったからこその成功だったのかも知れませんね。
デフレの牽引者と言われ、電化製品業界からバッシングを受けた時にもその批判を甘んじて受け入れ、その上で、
「我々も生き残ることに必死なのだ。」
と言った背景には、
「従業員を路頭に迷わせるわけにはいかない。」
という想いが感じられました。
従業員を守る為には前進するしかなかった、本人自らが望んだ道ではなかったのかも知れない。
それでも歩んでこられたその道は、他人が簡単に否定出来るものでは決してないはず。