2010.09.19

RCサクセション

楽しい夕に.jpg

今、こんな両義的な歌詞を書ける人がどこにいる?

 

「ぼくのまわりにかわいそうな人がおおぜい集まった。君もおいで。君だけじゃないんだよ。」

 

ここには悪意と慈愛の両方がある。

 

本作の言葉の大半は、決して額面通りに聞こえない。

 

「信じない。」という言葉からは疑心暗鬼が溢れ出し、

 

「友達が集まってくるかもしれないね。」という言葉から伝わってくるのは、そんなことはもはや二度と起こらないという悲しみだ。

 

「君はいつも僕を愛している。」という叫びからは、君の不在だけが浮かび上がる。

 

喪失と落胆の洪水。

 

狂おしく張り裂けそうなソウルが詰まった、いまだ誰も超えることのない永遠の金字塔。